地雷6669HITGET!!
By.EMUZU
| ■ | ・・・節分虫除け散布の巻・・・ | ■ |
2月3日 赤城にて豆まきを行う。 短い文面の召集令状が届いたのは、1月の終わり。 しかし、その召集令状が届いたのはレッドサンズのメンバーだけではなかったのだった。 2月3日、問題のその日、赤城は大勢の人でごった返していた。 舞台のようなところが即席で作られているその裏で、ため息ともつかない会話が繰り返されている。 「俺ら何で呼ばれたんだろうな、渉?」 「深く考えるなよ、延彦」 場違いな場所にいるようで、落ち着かない延彦の何回目かの質問を渉は軽く流した。 「んなこと言ってたら、俺らもそうだろ」 「俺はともかく、何で毅てめぇまでここにいるんだよ。しかも、俺らとか言って一括りにすんじゃねぇ」 「喧嘩売ってんのか?慎吾」 険悪な雰囲気になりかけたその場に落ち着いた声が通る。 「喧嘩するんなら、よそでやれ」 2人の背後からくわえ煙草で登場したのは、エンペラーの須藤だった。 「エンペラーの須藤」 呆然と呟かれた名前に須藤は目を軽くつぶって見せた。 「おまえらも涼介に呼ばれたんだろう?」 「そうなんですよ。何で呼ばれたのか」 わからない・・・と続けようとした延彦は、後ろから体当たりされてよろけた。 「あ、すまん」 どうやら、須藤しか見えていなかったらしい男を確認して延彦が固まった。 「清二あっちの準備は?」 「あと20分ほどでOKだそうだ」 有名な2人の登場に緊張してきた4人の目に、新たな緊張の元が飛び込んでくる。 「あれ・・・東堂の酒井に二宮じゃないか?」 「涼介はやることがでかいな。東堂塾の奴らまで呼んでるのか」 「こんばんは」 一般客とは違う走り屋の雰囲気に、吸い寄せられるように東堂塾の2人もよってくる。 「豆まきだって?大がかりなことするんだね」 酒井の微笑みに一同が凍り付く。 「なに固まってるんだ?」 衝撃的な呪縛から解き放ったのは、啓介の訝しげな声だった。 「い、いや、なんでもねぇよ」 二宮がなぁと同意を求めるとその場の人間はとりあえず頷いた。 「ならいいけど。アニキが始めるって言うから、こっち来てくれよ」 「啓介さん、ここにいたんですか?あ、皆さん来てたんですね」 案内していた啓介の前に、藤原がひょいと現れた。 のんびりと、こんばんはと挨拶してくる。 「藤原、アニキは?」 「涼介さんなら着替えてくるとか言ってましたけど。あ、あと啓介さんはこの衣装着 るようにって」 笑うしかないと言った感じで啓介が引きつる。 藤原が手渡してきたのは女物の着物だった。 「着方なんて知らねぇよ」 この際、女物だろうが何だろうが、着方がわからなければ着なくていいと判断を下した啓介の意見は、須藤の一言であえなく撃沈した。 「着付けならできるぞ」 どうしてできるんだとつっこめる勇気のない重苦しい雰囲気の中、藤原がのんきに安堵した。 「よかったですね。じゃあ、着替えといてください」 「マジか?」 マジなのか?と自問するように何度も繰り返す啓介を無視して、須藤は着物を手に取った。 「服の上からでも見えなければいいだろう」 須藤は呆然としている啓介に鮮やかに着せると、ふむと出来映えに納得するように頷いた。 「きつくはないか?」 「ないけど、あんた器用だな」 こんなもの着せるなっ!と言う間も与えないほど、素早く着せられてしまった啓介は唖然として感想を口にする。 「啓介、用意はできたか?」 羽織袴姿のいでたちで現れた主催者兼元凶の涼介に、ぼんやりと成り行きに流されていた啓介が噛みついた。 「アニキ、何で俺が女の格好しなくちゃいけないんだよっ」 「よく似合うぞ・・・ん?ジーンズぐらいは脱いだほうがいいな。歩くと見えてしまうだろう」 啓介の姿をにこやかに眺めると不満に思ったことを口にして、涼介は視線を招待客にうつす。 「すぐに豆まきをするが、豆の入った袋の中に色々と品物名が書かれている紙が入っている。紙と引き替えに持って帰ってくれ」 「豪勢な豆まきだな」 「持って帰れる程度のものだ。まあ、せいぜい他の人間に突き飛ばされないように気をつけろ」 舞台前にはバーゲンセールも真っ青なほど人が押し寄せている。 「アニキ?まさか上で俺が投げるのか?」 否定して欲しい啓介が訪ねると涼介はしっかりと肯定を返した。 「化粧はしなくてもいいだろう」 「だから何でっ」 「碓氷の2人組に頼んでおいたんだが、風邪で寝込んでいるらしくてな。華がないと盛り上がりに欠けるだろう」 だったら女性を使えばいいんじゃないのかというツッコミは、口にするものは誰もいなかった。 「俺より藤原の方が小さいだろっ」 「啓介」 必死で食い下がる啓介を声音一つで大人しくさせた涼介が、嫌がる啓介を舞台へ引きずりながら、まあ、頑張ってくれと言葉だけの激励をかけて一同の視界から消えた。 雰囲気的になんとなくではなく、強制的にしっかりと涼介の思惑を感じ取らされた一 同は疲れたため息を一斉に吐いた。 「なぁ、延彦」 「なんだ?」 「あれって牽制ってやつか?」 「俺に聞くなぁっ」 わざわざ口に出すなと説教を始めた延彦の横で、エンペラーの2人が細かいところまで分析していた。 「わざわざ、それだけのために赤城まで呼んだようだな」 「色んな所にバトルしかけて、すっかり有名になっちまったからなぁ」 「それで広報部長は胃に穴をあけたのか」 すっかり毒気を抜かれた妙義の2人は、ぼそぼそと怖い考えを呟きあっていた。 「碓氷の2人・・・風邪じゃなかったりしてな」 「毅もそう思ったか」 「あいつなら薬を盛りそうだよな」 そして、涼介の去ったあとを呆然と見ていた二宮が、確認のようにぽつりと呟く。 「何のために来たんだ?俺ら」 「まあ、楽しそうでいいんじゃないか」 それへの返答を濁して、酒井が外から見るぶんにはとつけ加えた。 エンペラーの2人が肩をすくめると同時に前方で歓声が上がる。 「ここで大人しくしておく方が妥当だな」 この馬鹿騒ぎに乗るだけの気力もない面々は、須藤のその意見に賛同することにした。 「あ、やっぱりこっちでした?一応、食べ物と飲み物持ってきたんですけど」 段ボールに色々と詰めこんで移動してきた藤原が、マイペースに飲み物を配る。 「ふ、藤原?」 主催側にいるのだから、色々と忙しいのではと言おうとした渉が、藤原の肩にかけられているジーンズを見て訪ねるように名を呼んだ。 藤原は、視線の先にあるジーンズをつまんで何のことはないと笑った。 「啓介さんのだから持ってろって涼介さんに言われたんですよ」 藤原は、あくまでのマイペースに飲み物を配り終わると、仕事が残ってますからと喧騒の中に戻っていった。 「・・・お見事」 呆れたような須藤の一言に、深いため息と一緒に魂が口から抜け出た一同である。 こうして節分の虫除けは、涼介の思惑通りに拡がったのであった。 おわり。 |
Dキャラが勢ぞろいって言う…う、う、嬉しいです!
基本の涼啓も押さえてくださっている(T-T)
ありがとうございます!
えむず様〜〜〜!一生貴方に付いて行きます〜〜〜!!
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