鬼の霍乱 by えむず |
「よぉ、鬼の霍乱だな」 熱が39度近くでて休むと連絡を受けた史浩は、レッドサンズのメンバー代表で見舞いに 来ていた。 「しっかし、健康管理云々って言ってたのにな」 史浩はここぞとばかりに風邪でふせっている割に元気な涼介をからかう。 「見舞いぐらいあるんだろうな」 「ああ、啓介に渡しておいた。レッドサンズと近隣の自称ファンクラブから山積みされてるよ」 「ご苦労なことだな」 「お前がそれを言うか」 軽く嫌みを言い合って、史浩は風邪をひいた経緯を聞いてみた。 「ああ」 そう言ってふっと口元を僅かに引き上げた涼介に、史浩は嫌な予感がした。 「・・・最初に風邪を引き込んだのは啓介だったよな?」 「ああ」 (ろくな事考えてない目だぞ) 確信できてはいるが、このまま想像が果てしなく続くことよりも、真実を受け入れようと 史浩はため息をついた。 「聞きたくないが、聞こう」 それだけで理解した涼介が口元に弧を描いたまま、風邪をひいた経緯を口にした。 「風邪をひいた啓介が寒いと言うんでな、最初は添い寝だけしてたんだが、潤んだ瞳で 名前を呼ぶから」 「わかった!!もう、言うなっ」 あまりにも想像通りだったことに史浩は呻いた。 がんがんと頭痛がし始めて、風邪でもひいたような症状になった史浩は、そこで涼介 の部屋を辞した。 部屋を出るとコーラとジャンクフードをトレイにのせた啓介が階段を上がってきた。 史浩の姿を認めるとトレイにのせたグラスをかちゃかちゃいわせながら寄ってくる。 「あれ、もう帰んのか?」 「・・・ほどほどにな」 「は?」 肩越しにゆらゆらと手を振って史浩は、頭痛を覚えた疲れた体をひきずるようにして階段 を下りていった。 「アニキ、史浩帰っちゃったぜ」 「ああ、もう用は済んだからな」 「ふぅん」 わかったようなわからなかったような返事をして、史浩の話はそこで終わってしまった。 あとは、甘い看護のお時間となる。 次の日、完全復活した彗星様から史浩宛に編み目のメロンが届いた。 「びどにうづしでなおじやがっだなぁっ(人にうつして治しやがったなぁっ)」 迷信ではあるが、人にうつせば風邪は治るものらしいが、例にも漏れず史浩は寝込ん でいましたとさ。 -おしまい- |
えむずさんありがとです(^^*)// このSSは御前が本当に風邪を引いたときえむずさんが送ってくださったSSです。 鼻声の涼介さんがなんとも言えないお話ですv |